「定住ビザ」とは、法務大臣が特別な理由を考慮して、一定の在留期間を指定し日本に在留することが認められる在留資格のことをいいます。

定住ビザには、永住ビザと同じく日本での活動内容に制限がありませんが、在留期間については、上限がない永住ビザとは異なり、一定の期間が指定されるため、日本に住み続けるにはビザの更新が必要となります。

ここでは、「定住ビザ」について、どのような場合に取得することができる?、どうやって申請する?、といった疑問にお答えします。

【このページの要点】

  • 定住ビザの主な対象:①第三国定住難民、②日系2世3世、③日系2世3世である定住者の配偶者、④中国残留邦人及び親族、⑤日本人等配偶者と離婚・死別した者等
  • 定住ビザ申請の流れ
  • 定住ビザ申請に必要な書類

「定住ビザ」は、特別な理由を考慮して相当期間の在留を認めるのが相当である外国人を受け入れるために設けられた資格です。

定住ビザには、永住ビザと同じく日本での活動内容に制限がありませんが、在留期間については、上限がない永住ビザとは異なり、一定の期間が指定されるため、日本に住み続けるにはビザの更新が必要となります。

定住ビザは、法務大臣が告示をもってあらかじめ定める類型に該当し定住ビザを受けることとなる「告示定住」と、この告示が示す類型にはあたらないものの、人道上の理由その他特別の事情を考慮し定住ビザを受ける「告示外定住」に分類されます。

ただし、定住者告示は、基本的に法務大臣の自由裁量に属するとされる入国審査行政の基準を、入国審査官の個別判断の際の類型指針として定めたものであり、定住者告示に該当しない場合にも、この告示に定める人道的基準に沿って外国人の入国が適正に判断されるべきものです。

なお、難民保護のための入国審査においては、国際人道上の対応が求められることから、告示外定住の法務大臣の自由裁量も制限を受けるべき場合があり、出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)第61条の2の2及び第61条の2の3においては、告示外定住のビザ取得及びビザ変更の際の法務大臣の羈束裁量が定められています。

→e-Gov法令検索(入管法)

自由裁量と羈束裁量について

自由裁量と羈束裁量という用語は、行政法学上多く用いられ、端的には、行政庁が処分を下す場合に、事実認定及び法適用の解釈の適法性について裁判所の判断が及ぶか否かによって、及ばない場合に自由裁量行為、及ぶ場合に羈束裁量行為として整理するものです。

ただし、自由裁量行為とされる場合であっても、その事実認定と法適用たる処分に明らかに裁量権の濫用とも言い得る行政の判断があった場合は、裁判所の判断が及ぶものとして、自由裁量行為に裁判所の判断は全く及ばないとされた時代があったものの、近時、この分類は相対化しています。

とはいえ、出入国や在留資格の認定における法務大臣の行為には、経済的国益保護などの要請から、広く自由裁量行為が認められているなか、定住ビザについては、国際的な人道上の観点から、法律が定める一定の要件を充足した場合には入国・在留を許すべしという場合が、羈束裁量行為が規定されています。

ここで、よく混同されがちな「ビザ」と「在留資格」について、説明をしておきます。

「ビザ(査証)」とは、外国にある日本の大使館や領事館がパスポートをチェックし、日本への入国は問題ないと判断した場合に発給されるもので、日本への入国に関する認定の裏書をさします。ただし、日本への入国にあたってこの「ビザ」は必要なものですが、実際に上陸を許可するか否かは、日本の空港や港で上陸時に行われる上陸審査の際に入国審査官が決定します。入国審査官はパスポートに貼られたビザを確認し、上陸を許可するのであればビザに見合った「在留資格」を付与して外国人を上陸させることになります。その時点で「ビザ」は使用済みとなり、上陸時に与えられた「在留資格」が上陸後の外国人が日本に在留する根拠となります。

また、「ビザ申請」と国内で一般的にいわれるものについては、正確には「在留資格認定証明書交付申請」のことを指します。「在留資格認定証明書」とは、法務大臣が発行する、当該外国人が日本で行おうとする活動が上陸のための条件に適合すると判断した証明書をいいます。この証明書を事前に取得し、在外公館でビザ発給を申請する場合、在留資格に関する上陸条件についての法務大臣の事前審査を終えているとして扱われるため、ビザの発給が迅速に行われることとなります。外国人の入国の大半はこの方式を利用しています。

在留資格認定証明書交付申請は、当該外国人、又は、行政書士、弁護士などの代理人が、当該外国人の居住予定地を管轄する出入国管理局(支局・特定の出張所を含む)に申請書を提出して行います。

ただし、本サイトでは、特に断りの無い限り、「在留資格認定証明書交付申請」については一般的な呼称である「ビザ申請」という言葉で言い表します。

日系2世や3世、中国残留邦人、インドや韓国、中国に一時滞在する難民など、定住ビザの申請を検討する際には、まず、定住者告示という法務大臣告示に示される類型に合致するか否かという点を確認する必要があります。

定住者告示は1号から8号まで存在し、削除された2号を除き、入国審査及び在留審査の場面で許可類型として用いられており、以下一覧で紹介しておきます。

【定住者告示1~8号の内容と概要】

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告示号数概要告示内容
1号一定のアジア地域に一時滞在して
いる難民及びその家族を定住ビザ
の対象とするものです。
インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タ
イ、大韓民国、中華人民共和国、ネパール、パキスタン、バングラデシ
ュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレ
ーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル又はラオス国内に一時滞在
している者であって、国際連合難民高等弁務官事務所が国際的な保護の
必要なものと認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、次
のいずれかに該当するものに係るもの
イ 日本社会への適応能力がある者であって、生活を営むに足りる職に
就くことが見込まれるもの、その配偶者又はこれらの者の子、父母若し
くは未婚の兄弟姉妹
ロ この号(イに係るものに限る。)に掲げる地位を有する者として上陸
の許可を受けて上陸しその後引き続き本邦に在留する者が当該許可を受
けて上陸する直前まで一時滞在していた国に滞在する当該者の親族であ
って、親族間での相互扶助が可能であるもの
2号平成22年に削除されました。削除
3号日系2世及び3世について定住
ビザの対象とするものです。
※素行善良が要件。
日本人の子として出生した者の実子(第一号又は第八号に該当する者
を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの
4号日系3世について定住ビザの対
象とするものです。
※素行善良が要件。
日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有
したことがあるものの実子の実子(第一号、第三号又は第八号に該当
する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの
5号日本と地理的・血縁的に関係が
ある者の配偶者について定住ビ
ザの対象とするものです。
※ハにあっては、素行善良が要件。
次のいずれかに該当する者(第一号から前号まで又は第八号に該当す
る者を除く。)に係るもの
イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子と
して出生したものの配偶者
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって
在留する者(第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許
可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及び
この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に
離婚をしたものを除く。)の配偶者
ハ 第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留
資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の
在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの
(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中
に離婚をしたものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの
6号下記、イ~ニに該当する者につ
いて定住ビザの対象とするもの
です。
※ハにあっては、素行善良が要件。
イ 日本人、永住者、特別永住
者の扶養を受けて生活する未成
年かつ未婚の実子
ロ 定住者(1年以上の在留期
間。日系2世3世及びこれらの
配偶者は除く)の扶養を受けて
生活する未成年かつ未婚の実子
ハ 日系2世3世及びこれらの
配偶者で1年以上の在留期間の
定住者の扶養を受けて生活する
未成年かつ未婚の実子
ニ 日本人、永住者、特別永住
者、1年以上の在留期間の定住
者の配偶者のうち、「日本人の
配偶者等」または「永住者の配偶
者等」の在留資格をもって在留す
る者の扶養を受けて生活する未成
年かつ未婚の実子
次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当
する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平
和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例
法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」
という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって
在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者とし
て上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受
けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の
許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で
一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留
するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子で
あって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は
一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留
する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格
をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で
未婚の実子
7号日本人、永住者、1年以上の在留
期間の定住者、特別永住者の扶養を
受けて生活する6歳未満の養子
次のいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の六歳
未満の養子(第一号から第四号まで、前号又は次号に該当する者を除
く。)に係るもの
イ 日本人
ロ 永住者の在留資格をもって在留する者
ハ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって
在留する者
ニ 特別永住者
8号中国残留邦人とその親族、生活上
密接な関係にあった養子及び配偶者
の連れ子について定住ビザの対象と
するものです。
次のいずれかに該当する者に係るもの
イ 中国の地域における昭和二十年八月九日以後の混乱等の状況の下
で本邦に引き揚げることなく同年九月二日以前から引き続き中国の地
域に居住している者であって同日において日本国民として本邦に本籍
を有していたもの
ロ 前記イを両親として昭和二十年九月三日以後中国の地域で出生
し、引き続き中国の地域に居住している者
ハ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留
邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律施行規則(平成六年
厚生省令第六十三号)第一条第一号若しくは第二号又は第二条第一号
若しくは第二号に該当する者
ニ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留
邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三
十号)第二条第一項に規定する中国残留邦人等であって同条第四項に
規定する永住帰国により本邦に在留する者(以下「永住帰国中国残留
邦人等」という。)と本邦で生活を共にするために本邦に入国する当
該永住帰国中国残留邦人等の親族であって次のいずれかに該当するもの
(i)配偶者
(ii)十八歳未満の実子
(iii)日常生活又は社会生活に相当程度の障害がある実子(配偶者のな
いものに限る。)であって当該永住帰国中国残留邦人等又はその配偶
者の扶養を受けているもの
(iv)実子であって当該永住帰国中国残留邦人等(五十五歳以上である
もの又は日常生活若しくは社会生活に相当程度の障害があるものに限
る。)の永住帰国後の早期の自立の促進及び生活の安定のために必要
な扶養を行うため本邦で生活を共にすることが最も適当である者とし
て当該永住帰国中国残留邦人等から申出のあったもの
(v)前記に規定する者の配偶者
ホ 六歳に達する前から引き続き前記イからハまでのいずれかに該当
する者と同居し(通学その他の理由により一時的にこれらの者と別居
する場合を含む。以下同じ。)、かつ、これらの者の扶養を受けている、
又は六歳に達する前から婚姻若しくは就職するまでの間引き続きこれ
らの者と同居し、かつ、これらの者の扶養を受けていたこれらの者の
養子又は配偶者の婚姻前の子

定住者告示の3号、4号、5号ハ、6号ハについては、素行が善良であることが要件とされており、その判断基準は、審査要領において、以下のように示されています。

次のいずれにも該当しないこと

  • 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、懲役、禁固若しくは罰金またはこれらに相当する刑(道路交通法違反による罰金又はこれに相当する刑を除く。以下同じ。)に処せられたことがある者
  • 少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号及び第3号)が継続中の者
  • 日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良とは認められない特段の事情がある者
  • 他人に入管法に定める証明書の交付又は許可を受けさせる目的で不正な行為を行った者又は不法就労のあっせんを行った者

素行善良要件における犯罪歴については、日本以外の国の法令違反による犯罪も対象となるので、注意が必要です。また、この素行善良要件は、上陸許可の際のみならず、在留資格の変更や更新の際にも審査されます。

定住者告示の示す類型に該当しない場合でも、個別案件ごとの審査により、定住者として入国や在留が認められる場合があり、これを告示外定住といいます。

告示外定住は、外国人の入国及び在留管理について法務大臣に認められる自由裁量判断の判断例を示す定住告示に類する事情がある場合に入国及び定住ビザの取得が認められる場合を主にいいますが、法務大臣が認定した難民の入国及び定住については、入管法による羈束裁量の規定も存在します。

ここでは、告示外定住として入国及び定住ビザの認定が行われる主な類型をそれぞれ紹介します。

まず、上記「定住ビザとは」の項で紹介した羈束裁量的に定住ビザが認められる場合として、入管法第61条の2の2及び3に規定される法務大臣が難民認定する場合(入管法第61条の2の2)と、難民認定を受けている外国人から定住ビザへの変更申請があった場合(入管法第61条の2の3)があります。

これは、国際人道上求められる措置として、特に法律によって法務大臣の入国管理行政における判断を羈束的に拘束するもので、下記の法条にはともに「定住者の在留資格の取得を許可するものとする。」と規定されています。

入管法(抜粋)

(在留資格に係る許可)
第61条の2の2 法務大臣は、難民の認定又は補完的保護対象者の認定をする場合であつて、前条第一項又は第二項の申請をした外国人が在留資格未取得外国人(別表第一又は別表第二の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する者、一時庇ひ護のための上陸の許可を受けた者で当該許可書に記載された期間を経過していないもの及び特別永住者以外の者をいう。以下同じ。)であるときは、当該在留資格未取得外国人が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に定住者の在留資格の取得を許可するものとする。
(以下省略)


第61条の2の3 法務大臣は、難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けている外国人(難民の認定又は補完的保護対象者の認定に引き続く第五章に規定する退去強制の手続(第六十三条第一項の規定に基づく退去強制の手続を含む。第六十一条の二の九において同じ。)において第五十条第一項の規定による許可(第六十三条第一項の規定に基づく退去強制の手続において第五十条第一項の規定に準じて行われる許可を含む。)により在留資格を取得した者を除く。)から、第二十条第二項の規定による定住者の在留資格への変更の申請があつたとき、又は第二十二条の二第二項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)の規定による定住者の在留資格の取得の申請があつたときは、第二十条第三項本文(第二十二条の二第三項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これを許可するものとする。

離婚定住とは、日本人、永住者又は特別永住者である配偶者と離婚した外国人が引き続き日本に在留を希望する場合に定住ビザが認められ得る類型をいいます。

定住ビザ取得の要件として、①日本において、おおむね3年以上正常な婚姻関係、家庭生活が継続していたと認められること、②生計を営むに足りる資産または技能を有すること、③日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難となるものでないこと、④公的義務を履行していることまたは履行が見込まれることが求められます。

なお、①の要件に関しては、別居していた期間がある場合も、夫婦としての交流、相互扶助が継続していたと認められれば、婚姻関係及び家庭生活が継続していたものと扱われます。

また、DVなどの事例を除き、単に性格の不一致などの理由による婚姻関係の終了ではビザ申請は認められないと考えておきましょう。正式な離婚が成立してから離婚定住ビザを申請することをお勧めします。

死別定住とは、日本人、永住者又は特別永住者である配偶者と死別した外国人が引き続き日本に在留を希望する場合に定住ビザが認められ得る類型をいいます。

定住ビザ取得の要件として、①配偶者の死亡までの直近おおむね3年以上、日本において正常な婚姻関係、家庭生活が継続していたと認められること、②生計を営むに足りる資産または技能を有すること、③日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難となるものでないこと、④公的義務を履行していることまたは履行が見込まれることが求められます。

日本人実子扶養定住とは、子の出生時点で父又は母が日本国籍を有しており、こうして出生した子を監護養育する者に定住ビザが認められ得る類型をいいます。

定住ビザ取得の要件として、①生計を営むに足りる資産または技能を有すること、②日本人との間に出生した子を監護養育する者であって、日本人の実子の親権者であり、且つ、現に相当期間当該実子を監護養育していることが認められることが求められます。

実子の監護養育については、詳細な実態調査が行われます。例えば、実子の両親について、婚姻関係が破綻している場合、双方で主張が相違することも多いかと思いますが、審査要領上はすべての当事者から事情聴取することが必要であるとされていますので、事実関係をしっかりと整理したうえでビザ申請を行う必要があります。

婚姻関係破綻定住とは、DVにより婚姻の継続が事実上困難となった場合に、外国人配偶者が現に有する「日本人又は永住者の配偶者等」ビザの更新申請には、夫による身元保証を証する書類が用意できないなどの事態も十分に想定されることから、定住ビザが認められ得る類型をいいます。

定住ビザ取得の要件として、①日本において、おおむね3年以上正常な婚姻関係、家庭生活が継続していたと認められること、②正常な婚姻関係、家庭生活が継続した後にDVによる被害を受けたと認められること、③生計を営むに足りる資産または技能を有すること、④公的義務を履行していることまたは履行が見込まれることが求められます。

なお、未だ婚姻関係が破綻しているとまではいえない状況下で、外国人配偶者の「日本人又は永住者の配偶者等」ビザの更新申請に必要な夫による身元保証を証する書類が用意できない場合、婚姻関係破綻定住ビザの申請はできませんが、必要書類の不備だけでビザ更新申請が通らないということはないと考えられますので、この場合には出入国在留管理局にしっかりと事情を説明するようにしましょう。

既に在留資格をもっている外国人が定住ビザへの変更を申請する場合、審査には1~3か月の期間を要します。令和7年7月は平均57.6日が審査に要されていますので、お急ぎの場合は、専門家に依頼することも検討されることをお勧めします。

流れは以下のとおりです。

申請に必要な書類の収集

定住ビザへの変更申請には、身分に関する書類、収入に関する証明書、納税証明書等多くの書類が必要になります。

STEP
1

出入国管理局に永住ビザ申請

申請者の住所地を管轄する出入国管理局の窓口で申請します。

申請取次者として出入国管理局の承認を受けた行政書士・弁護士は申請を取り次ぐことができます。

STEP
2

許可

審査には1~3か月の期間を要します。

STEP
3

定住ビザの申請に必要となる書類については、申請人の状況ごとに多くの類型があることから、申請に必要な書類も類型ごとに異なります。ここでは、日系3世である申請者が、定住者告示4号で定住ビザ申請をする場合に必要となる書類を紹介しておきます。

なお、この他の類型に関する必要書類については、>こちら(出入国在留管理局HP)もご覧ください。

日系3世の申請人が定住ビザ申請を行う場合に必要な書類一覧

  1. 在留資格認定証明書交付申請書
  2. 写真(縦4cm横3cm)
  3. 返信用封筒
  4. 身分関係を証する書類(市区町村の役所発行)
    (1) 祖父母(日本人)の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書)
    (2) 婚姻届出受理証明書(祖父母と両親のもの)
    (3) 出生届出受理証明書(申請人のもの)
    (4) 死亡届出受理証明書(祖父母と両親のもの)
    (5) 本邦における同居者の住民票(世帯全員の記載があるもの)
    ※ (5)は、本邦居住者と同居する場合のみ。
    ※ 上記(5)は、個人番号(マイナンバー)については省略し、他の事項については省略のないもの。
    ※ 上記(2)~(4)は、日本の役所に届出をしている場合にのみ。
  5. 職業・収入を証する書類
    (1) 申請人が自ら証明する場合
    1. 預貯金通帳残高証明書(申請人名義のもの) 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの)
    (2) 申請人に代わって滞在費用支弁者が証明する場合
    滞在費用支弁者の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
    ※ 入国後間もない場合や転居等により、住所地の市区町村役場から発行されない場合は、出入国在留管理官局に相談。
  6. その他の書類
    (1) 身元保証書
    ※ 身元保証人は、日本に居住している日本人又は永住者。
    (2) 申請人の犯罪経歴証明書(本国の機関から発行されたもの)
    (3) 祖父母及び両親の本国(外国)の機関から発行された結婚証明書
    (4) 両親及び申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書
    (5) 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書
    ※ 認知に係る証明書がある場合は提出。
    (6) 祖父母及び父母が実在していたことを証明する公的な資料 適宜
    ※ 例 : 祖父母及び父母の旅券、死亡証明書、運転免許証等
    (7) 申請人が本人であることを証明する公的な資料 適宜
    ※ 例 : 身分証明書(IDカード)、運転免許証、軍役証明書、選挙人手帳等
    (8) 一定の日本語能力があることを証明する次のいずれかの証明書
    ※ 在留期間「5年」を希望する場合に提出が必要(未成年者を除く。)。
    a 法務大臣が告示で定める日本語教育機関において6月以上の日本語教育を受けたことを証明する文書
    b 日本語能力試験N2に合格したことを証明する文書
    c 財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テストで400点以上を取得したことを証明する文書
    d 学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けたことを証明する文書

以上、定住ビザについて、その内容とビザ申請方法、申請における留意点を解説しましたが、出入国在留管理局に対して行うビザ申請には多くの書類の添付が必要であり、また補足説明資料なども必要となってきます。

一度不許可となると再申請はその分ハードルが上がる傾向にもありますので、ビザ申請に不安がある方は、専門家に相談することも検討されることをお勧めします。

当事務所では、定住ビザを申請されるお客様のビザ申請を代行する>ビザ申請サポート(各種身分系)をご用意し、お客様のビザ申請を全面的にサポートするサービスを提供しております。

無料相談にて、定住ビザの許可取得が可能か、また、問題点がある場合にどの程度是正ができるかのアドバイスをさせていただきます。

無料相談は、①電話、②メール、③オンライン(Zoom、Line等)、④来所、⑤ご自宅訪問のいずれかでご対応しております。まずは、お気軽に、お電話かメールでお問合せください。

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高知VISAサポートセンター運営ライフパートナーズ法務事務所代表行政書士森本拓也

この記事の執筆者

高知VISAサポートセンター所長

森本 拓也

TAKUYA MORIMOTO

行政書士ライフパートナーズ法務事務所

代表行政書士、宅地建物取引士

私も、イギリス在留中には、フラット(アパート)を借りる際をはじめ、多くの現地の方にたくさんお世話になりました。

当事務所では、ビザ申請に関すること以外にも、外国籍の方の行政手続き・不動産・日常生活に関する様々なお困りごとにも相談対応が可能です。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

  • 主な担当業務
    外国人のお客さまのビザ申請に関するサポートのほか、外国人を雇用する企業様の法的サポートを提供しています。
  • Profile
    1993年 3月 高知県立追手前高校   卒業
    1993年 4月 立命館大学産業社会学部 入学
    イギリス留学を経て、行政書士資格取得後公務員として約20年勤務した後、行政書士ライフパートナーズ法務事務所開設。

高知県行政書士会 会員(登録番号 第25381973号)

入管申請取次行政書士(行ー192025200024)

宅地建物取引士登録番号(高知)第005010号