在留資格「短期滞在」とは、観光客や商用での外国人の日本滞在に対応し、こうした人々を広く受け入れるために設けられた在留資格のことをいいます。

他の在留資格と異なり、事前に日本国内の出入国在留管理局での「在留資格認定証明書」の交付を受けることはできませんが、査証免除国の外国人であれば日本の入国港で上陸許可を得ることができます。

ここでは、「短期滞在」について、どのような場合に取得することができる?、どうやって申請する?、といった疑問にお答えします。

【このページの要点】

  • 観光や出張、友人訪問など在留目的は広く認められるが、就労はできない。
  • 査証免除国の外国人は、入国港で入国目的を示して審査を受けるだけ。
  • 査証免除国以外の外国人は、日本の在外公館で査証の発給を受けて入国することができる。
  • 短期滞在査証申請に必要な書類

在留資格「短期滞在」とは、観光客や商用での外国人の日本滞在に対応し、こうした人々を広く受け入れるために設けられた在留資格のことをいい、観光やスポーツ、親族の訪問、会合への出席など幅広い目的での在留が認められています。

ただし、就労活動を行うことはできず、また、資格外活動許可も原則として許可されませんので、この点に注意が必要です。

在留期間については、「90日若しくは30日又は15日以内の日を単位とする期間」(出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)施行規則第3条関係別表第2)と定められています。

入国の審査の際の査証の要否については、令和7年9月1日現在、74の国と地域が「査証免除国」とされており、これらの国から短期滞在で日本に入国するには、査証の発給を受けることなく短期滞在を目的として入国することが可能となっています。査証免除国については、時々の情勢により取扱いが変更される場合があるので、>外務省HPで確認する必要があります。

一方、査証免除国でない国からの入国に関しては、原則通り在外日本公館で査証の発給を受けることが必要ですが、他の在留資格と異なり、査証発給に先立ち日本の出入国在留管理局で「在留資格認定証明書」の交付を受けることができませんので、短期滞在で入国しようとする外国人本人が在外日本公館に在留資格認定証明書なしで査証発給の申請をすることとなります。

ここで、よく混同されがちな「ビザ」と「在留資格」について、説明をしておきます。

「ビザ(査証)」とは、外国にある日本の大使館や領事館がパスポートをチェックし、日本への入国は問題ないと判断した場合に発給されるもので、日本への入国に関する認定の裏書をさします。ただし、日本への入国にあたってこの「ビザ」は必要なものですが、実際に上陸を許可するか否かは、日本の空港や港で上陸時に行われる上陸審査の際に入国審査官が決定します。入国審査官はパスポートに貼られたビザを確認し、上陸を許可するのであればビザに見合った「在留資格」を付与して外国人を上陸させることになります。その時点で「ビザ」は使用済みとなり、上陸時に与えられた「在留資格」が上陸後の外国人が日本に在留する根拠となります。

また、「ビザ申請」と国内で一般的にいわれるものについては、正確には「在留資格認定証明書交付申請」のことを指します。「在留資格認定証明書」とは、法務大臣が発行する、当該外国人が日本で行おうとする活動が上陸のための条件に適合すると判断した証明書をいいます。この証明書を事前に取得し、在外公館でビザ発給を申請する場合、在留資格に関する上陸条件についての法務大臣の事前審査を終えているとして扱われるため、ビザの発給が迅速に行われることとなります。外国人の入国の大半はこの方式を利用しています。

在留資格認定証明書交付申請は、当該外国人、又は、行政書士、弁護士などの代理人が、当該外国人の居住予定地を管轄する出入国管理局(支局・特定の出張所を含む)に申請書を提出して行います。

ただし、本サイトでは、特に断りの無い限り、「在留資格認定証明書交付申請」については一般的な呼称である「ビザ申請」という言葉で言い表します。

「短期滞在」の在留資格該当性については、「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」(入管法別表第1の3)と規定されており、幅広い活動で在留することが認められます。

ただし、滞在目的が短期間で達成できないような場合、目的達成のためには複数回の出入国が必要となり、結果として長期間の滞在が必要となります。滞在が細切れであってもこれらを合計すると滞在が長期に至ってしまう滞在を短期滞在は予定しておらず、滞在期間の観点から、どのような滞在目的が認められるかについては、短期間でその目的が達成され得るものか否かという視点から審査が行われることとなります。

例えば、子の養育・看護を目的とする滞在は、短期間でその目的を達することは困難であり、短期滞在の在留資格該当性は否定されることとなるでしょう。東京地裁平成24年10月30日判決においても、同旨の判断が行われています。

「短期間」の滞在については、原則として、180日を超える滞在は「短期間」の滞在とは言えないものと解されています。また、入国・在留審査要領(以下、「審査要領」という。)においては、1回の在留期間が180日を超えない場合でも、出入国を繰り返し、合計の在留期間が1年のうち180日を超えることとなる場合には、在留資格該当性を慎重に審査することとされています。

在留資格「短期滞在」では、就労活動を行うことはできず、また、原則として資格外活動も許可されないことから、不法就労とならないよう注意が必要です。

就労活動と言い得るか否かについては、役務が日本国内で行われる限り、これに対する報酬の支払いが外国で行われた場合や報酬の支払者が外国企業であっても入管法上禁止される就労にあたることには注意が必要です。

この点、外国企業のビジネスマンの日本に出張して業務報告や商談を行う場合には、その業務があくまで外国企業の外国における業務の一環として行われる限りは、禁止される就労活動にはあたりませんが、出張業務に対して出張業務以外の他の業務と区別して別途報酬が支払われないことが必要となります。

以上の要件を満たす限り、広範な活動が短期滞在として認められ得ることとなりますが、具体的に短期滞在が認められる例を以下に紹介しておきます。また、実務においては、「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザを有していた者が、自己都合退職をした場合に、就職活動を確実に行っていることを証する申述書を提出したときは、「短期滞在」の在留資格が就職活動中に限り認められることがあります。

【短期滞在の認めれられる例】

  1. 観光、娯楽、通過の目的での滞在
  2. 日本に出張して行う商談、業務連絡、市場調査、宣伝など
    外国に業務活動の基盤があることが必要です。
  3. 病気療養
    入院して治療を受ける患者本人及び同伴者について、滞在期間が90日以内の場合は「短期滞在」が、90日を超える場合には特定活動(6月)ビザが認められます。
  4. 競技会やコンテストへのアマチュアとしての参加
    参加に対する報酬を受けてはいけませんが、滞在費や渡航費などの実費を主催者が負担することは認められます。
  5. 会議その他の会合への出席
    日本法人の経営者又は役員に就任した者が日本法人から報酬を受けている場合には、その経営者等が会議や連絡のために短期間来日する場合であっても、「経営・管理ビザ」の取得が必要であり、「短期滞在」の在留資格で来日、滞在することはできません。また、日本法人の役員であることに対する報酬が海外法人から支払われる場合であっても、日本法人の役員であることに対する報酬が他の業務に係る報酬と区別して支払われる場合も「経営・管理ビザ」が必要となります。
  6. 親善訪問、冠婚葬祭等への出席、友人・知人・親族等を訪問
  7. 視察等の目的での滞在
  8. 企業や教育機関の行う講習や説明会等への参加
  9. 報酬を得ないで行う講演や講義等の目的での滞在
    入管法施行規則第19条の3第1号及び第2号に規定される謝金等を受けることは認められます。また、滞在費や渡航費などの実費を主催者が負担することは認められます。

経営・管理ビザの申請は、住所地を管轄する出入国在留管理局に対して行います。経営・管理ビザの審査は申請後平均で3か月程度に及びます。

流れは以下のとおりです。

事業計画の策定

新たに事業を開始する場合に作成する必要があります。

ビザ取得の成否にも関わりますのでしっかりと検討することが必要です。

STEP
1

会社設立の諸準備

オフィスの確保(賃貸借契約)、定款作成及び認証、会社印鑑の作成など準備を進めましょう。

なお、バーチャルオフィスは認められません。

STEP
2

資本金準備

最低500万円の資本金を準備します。この額超を推奨。

会社の発起人名義の銀行口座への払込を証明する必要があります。

STEP
3

会社設立の登記

株式会社または合同会社の設立登記。

登記後、登記事項証明書を取得しておきましょう。

STEP
4

各種届出

税務署、市区町村、年金事務所などに開業届、給与支払い事務所設置届などを行います。

STEP
5

出入国管理局に経営・管理ビザ申請

申請者の住所地を管轄する出入国在留管理局の窓口で申請します。

申請取次者として出入国管理局の承認を受けた行政書士・弁護士は申請を取り次ぐことができます。

STEP
6

許可

審査には平均で3か月程度かかります。許可が下りると、申請人に連絡があります。

在留カード(永住ビザ)が交付されますが、交付の際に8,000円の手数料を納付する必要があります。

STEP
7

経営・管理ビザの申請に必要となる書類については、従事しようとする事業体の経営規模により異なります。これらはカテゴライズして定められており、上場企業等がカテゴリー1、給与の源泉徴収税額が1000万円以上の会社等がカテゴリー2、カテゴリー2を除く源泉徴収事業所がカテゴリー3、これら以外がカテゴリー4とされています。

カテゴリー1又は2にあたる場合は、申請書、写真、返信用封筒のほかはこれらのカテゴリーにあたることを証明する書類のみを添付すれば申請が可能ですが、事業開始から間もない場合や新規立ち上げの場合など、カテゴリー3又は4にあたる場合、事業計画書のほか多くの資料提出が求められます。

以上、経営・管理ビザについて、その内容とビザ申請方法、申請における留意点を解説しましたが、出入国在留管理局に対して行うビザ申請には多くの書類の添付が必要であり、また補足説明資料なども必要となってきます。

一度不許可となると再申請はその分ハードルが上がる傾向にもありますので、ビザ申請に不安がある方は、専門家に相談することも検討されることをお勧めします。

当事務所では、経営・管理ビザを申請されるお客様のビザ申請を代行する>経営・管理ビザ申請サポートをご用意し、お客様のビザ申請を全面的にサポートするサービスを提供しております。また、会社設立や各種補助金申請のサポートまで可能です。

無料相談にて、経営・管理ビザの許可取得が可能か、また、問題点がある場合にどの程度是正ができるかのアドバイスをさせていただきます。

無料相談は、①電話、②メール、③オンライン(Zoom、Line等)、④来所、⑤ご自宅訪問のいずれかでご対応しております。まずは、お気軽に、お電話かメールでお問合せください。

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高知VISAサポートセンター運営ライフパートナーズ法務事務所代表行政書士森本拓也

この記事の執筆者

高知VISAサポートセンター所長

森本 拓也

TAKUYA MORIMOTO

行政書士ライフパートナーズ法務事務所

代表行政書士、宅地建物取引士

私も、イギリス在留中には、フラット(アパート)を借りる際をはじめ、多くの現地の方にたくさんお世話になりました。

当事務所では、ビザ申請に関すること以外にも、外国籍の方の行政手続き・不動産・日常生活に関する様々なお困りごとにも相談対応が可能です。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

  • 主な担当業務
    外国人のお客さまのビザ申請に関するサポートのほか、外国人を雇用する企業様の法的サポートを提供しています。
  • Profile
    1993年 3月 高知県立追手前高校   卒業
    1993年 4月 立命館大学産業社会学部 入学
    イギリス留学を経て、行政書士資格取得後公務員として約20年勤務した後、行政書士ライフパートナーズ法務事務所開設。

高知県行政書士会 会員(登録番号 第25381973号)

入管申請取次行政書士(行ー192025200024)

宅地建物取引士登録番号(高知)第005010号